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ジャンプの黄金時代を支えたドラゴンボール

世界的人気といえば、これだろう

ワンピースが世界でも有数の人気を誇っているジャンプ作品、そういわれるとどうも筆者としてはしっくり来ない。もちろんワンピースの面白さも、王道の少年漫画らしい夢と希望溢れる国民的作品として見られているのも重々承知している。ただ世界という単位で考えた場合では、まだまだこの作品の上を凌駕しているとは思えない。その作品とはまさに冒険活劇として登場し、80年代中盤に登場した瞬く間にスター街道へと軌道修正、さらにアニメ化してオリジナルシリーズを含めた第4作まで製作されるなど、その人気がそれまでに登場したジャンプ作品には見られないほど、日本で大ブームを巻き起こした。

また当時のジャンプ誌において、90年に登場したバスケ漫画の王道である『SLAM DUNK』の連載が始まったことで二大看板となり、ジャンプ黄金時代と呼ばれる一時代を築き上げることに飛躍させた立役者でもある。その当時において週刊誌としては歴代最高売上とも言われている『653万部』という、驚天動地の数字をたたき出した。お化け漫画とも呼ばれる中、ドラゴンボールと言う作品が世界へと進出し、その大胆不敵なストーリーが海外の人々の心躍らせるまでに時間は掛からなかった。

またドラゴンボールという作品があったからこそ、アメリカやヨーロッパ地方を初めとする人々に日本の漫画・アニメ作品の素晴らしさを伝播することが出来た、そう見なした方が適切だろう。そして今現在でもドラゴンボールという作品が世界有数の人気作品として見られている事実を無視することは出来ない。

ドラゴンボールの始まり、ヒットまでを分析してみる

ドラゴンボールという作品がヒットするまでの時間を少し考察してみると、ヒットまでに時間を要することになったというのは知っている人も多いだろう。そもそもドラゴンボールの原作者である『鳥山明』氏の初めて成功した長期連載作品は『Dr.スランプアラレちゃん』というものだ。完全ギャグストーリーとなっている此方は、ドラゴンボール以前で連載されていたジャンプ誌において、こちらもトップクラスの人気を誇っていた。アニメも放送され、その斬新奇抜なストーリーに読者も喜んでいたが、作者としてはアイディアが枯渇してしまい、ネタも出なくなってきたので終わらせたいと思っていたという。漫画業界では人気作品を終わらせるのは忍びない、というよりも売上低迷に繋がる可能性があるとして作者の意見をないがしろにした。それでも鳥山氏の意思を見て、ならばと提示したのが、アラレちゃんと摩り替わるように長期連載新作を作るのであれば構わないとする案で妥協した。

それにより、鳥山氏もアラレちゃんが連載終了までに新作の構想に入り、あらゆる方向から考えた結果、まさしくドラゴンボールが誕生したことへ繋がっていく。作品が生まれた経緯を調べてみると、内容こそ面白いが理由は単純に、ギャグを描いていると底なし沼に嵌るようにネタ切れに見舞われたから、というのだからシュールだ。漫画家にとっては一番の天敵だろう、締め切りもある事を踏まえれば、その忙しさはまさに地獄だ。

路線変更したおかげ

冒険活劇として登場したドラゴンボールは、最初こそ冒険と友情、そしてお宝を探すことをメインとしたワンピースのようなストーリーだった。ドラゴンボールと呼ばれる7つの石を集め、神龍を呼び出して願いを1つだけ叶えてくれるという、冒険心をくすぐられるものだった。それは良い、ただこうした話は読者層としてはありきたりなものとしてとられてしまい、連載してから数年はあまり面白い作品とは見なされていなかった。

そんなドラゴンボールが注目を集め始めたのが、天下一舞闘会からその人気が高まるようになる。読者の求めているものがこれだとして、作品の傾向が『冒険』から『バトル』へと移行した。その結果、ドラゴンボールというものも作中で登場することになるが、後に完全に話の主題から外れていき、主人公の悟空がひたすら名だたる強者と戦い続ける作品として新生した。そこからの活躍は語らずとも知っている人も多いので、割愛する。当時は新作連載として登場するも冒険路線では売れず、バトル中心としたシリアス調が好まれていったというのは、鳥山氏にとっては幸か不幸なのか、微妙なところかもしれない。

海賊人気?ONE PIECE!

大きくなりすぎて、逆に困ったことになる

ジャンプ黄金時代の代表中の代表作品として人気を博したドラゴンボールという作品は、コミックだけでなくアニメやゲームといったメディアミックス展開が行われ、様々な方向で大ヒットを繰り出していった。それは良いとしてもだ、その肥大したドラゴンボールと言う作品はやがてジャンプだけでなく、ジャンプを発行している集英社の株価にも影響を与えるほどの同社看板作品として、その存在を世間へと示していった。またアニメを放送する関係上、先の展開を原稿の状態からアニメ製作スタッフに見せなければならない等、週刊誌の連載にアニメ、その他にも様々な仕事が立て続けに舞い上がってしまったことで、当然の如く鳥山氏はオーバーヒートしてしまう。肉体も精神も限界異常にすり減らされてしまい、これ以上連載する事は不可能と判断して連載終了を決意するまでに至った。

この決定に編集や集英社としても、さすがにこれ以上追い詰める事は不可能ということで承諾したのか、話はあっという間に決まって10年以上にも及ぶ連載に幕が引かれる。

筆者も作品が連載されている頃、中期以降においては見ていたが突如として終了した時にそんな大人の事情など知らずだった年齢だったため、終わったなぁと言う感じしか持たなかった。当時のファンは悲しんだかもしれないが、こうして改めて当時の状況と商品展開を総合してみたとき、これでは連載終了したいと思っても仕方がないだろうと思うのが妥当といえる。言うなれば、ドラゴンボールという作品が大きくなりすぎたことも影響している。

不動の名作 DRAGON BALL!
NARUTO は忍者ですから!
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